「今年もあと一ヶ月ですねー早いですねー」
という場つなぎ的な決まり文句が囁かれる時期などとうにすぎ、
もう年の瀬である。
二週間くらい前から、我が家は順調に体調を崩しはじめ、
あちこちで鼻水を垂らし、咳こんでいる。
長女は鼻水をかみすぎて鼻の下が赤くなったので、鼻セレブみたいなやつに変えたら、
「これは痛くない」となんとも素直な反応で喜んでいた。
ずっとそっちが良いと言うかもしれない。
次女はそんな長女を横目に、とにかくセレブを出しまくり撒き散らす。
油断するとちぎったり、丸めたり、やりたい放題。
遊び方がセレブ。
1歳に満たない坊主は、セレブだろうがあたたかい布だろうが、
とにかく体ごとひねり、泣きながら拭かれるのを拒絶する。
その攻防を繰り返したのち、顔の三分の一はうすーく行き渡った鼻水の膜でカピカピになっている。
なんかごめん。
長女が保育園でいただいたのかなんなのか、寒空のもとシュールすぎる石の博物館に行ったせいなのか。
とにかく誰かひとりがこじらすと、ちょっとの間は順繰りに家族内をめぐることを覚悟せねばならない。
そしておおよそ親の方が重めの症状になる。
そんな折12/26の居間でのこと。
「カポっ、ゴポっ」みたいな変な音がする。
あーまた誰か変な咳をしているなと憂う。
いやしかし、音のほうに視線をおくるも誰もいない。
気のせいかと思ったが、数分後また聞こえてきた。
そこに人はいない。あるのはクラシカルなファンヒーター。
来る日も来る日もフル稼働のファンヒーター。
そして遂には、ピーピー鳴って、ただ液晶に「E -6」と示し停止。
真面目で朴訥な彼が自ら任務を辞すとは未だかつて経験がなく、ただごとではないと察する。
とはいえうすうす気付いてはいたので、もう最初からベランダに運んだ。
家の中で分解してお掃除するのはなんだか嫌な予感がしたから。
ドライバー片手にまず大外のカバーのネジを4つ、次にファンのネジを3つ外す。
瞬時に何がどうして彼が停止したのか理解した。
ファンヒーターというからにはファンが肝だ。
そのファン、羽という羽がふわっふわになっている。
うずらの雛のようだ。それも群れだ。
いちおう断っておくが動物は飼っていない。
このお家は借家で、彼は以前住んでいたおばあさんが使っていたものだと思う。
うちの暮らしでも続投させていただいている。
4シーズンの冬を支え、ほぼフル稼働。
そしてうっかりしたことに、掃除をした記憶がない。
注意書きにはしっかりと明記してある。
週1回以上必ず掃除をしてください、と。
毎年12月から3月まで使うとして、4年経過、、
ざっと80回のお掃除を怠っていたということか。
ほんとに、大事に至らなくてよかった、反省。
こうして大掃除なるものを、期せずしてひとつ終えた、そんな年末。
今年もTADORU WORKSに関わっていただいた全ての皆様に感謝申し上げます。
いつもありがとうございます。
寒さの厳しい日が続きますが、我が家のようにご体調を崩されませぬようご自愛ください。
来年こそ穏やかに迎えられますように。
今日の一曲
「雪の降る町/ユニコーン」