カレーと民藝【前編】

ここ一週間ほど、木曽、松本、諏訪、東京と移動が多く慌ただしい日々でした。


12/2、松本は信毎メディアガーデンにてクリスマスマーケットに出店。


クリスマスにまつわるグッズやお菓子、パンなどの飲食店が並ぶ中で異彩を放ちました。
浮いていました。
でも、好きな街松本で久しぶりの友人やこの半年ほどでつながりをいただけた方々にもお会いできましたので、楽しく過ごせました。陽が陰ってからは激寒でしたが。
懐かしの洋食・カレー屋さんにはちょっと距離があり、行けなかったのが残念。

12/3、岡谷諏訪にて用事を済ませたのち木曽谷に帰還。

12/4〜 飛び石的なスケジュールで木工。
いつもより人に会ったり、移動が重なったり、こういうときはちょっと気もそぞろです。本当に大事な仕上げの削りはしません。

12/7、早朝に木曽を出発、高速バスで東京へ。目的地は目黒区、駒場東大前。
無事到着し、ちょうどお昼時であったので飲食店を探しながらぶらぶらする。
ここで奇跡!

でた!キッチン南海!
松本で行きたかった洋食屋さんキッチン南海!
ここにもあるなんて!


高校時代に通った松本のキッチン南海が、暖簾分けの店舗だと知ったのはかなり後になってからのこと。
30歳を過ぎて、たまたま東京の神保町で古本屋を巡っていたときです。
なにやらやたらと行列のできている店があって、それがキッチン南海神保町店でした。
(神保町店は多くの方に愛され惜しまれつつも閉店してしまったようです)

いつもあっ!と思う。
このインパクトのある色使いとフォントが、初めて松本で見たときから頭のどこかにあるのです。


迷わずこの店に入って、カウンターに腰掛ける。
白髪に白髭を蓄えた、明らかにクセの強い素敵なマスターにカツカレーを頼む。
カツを揚げている待ち時間、店内を見まわすと今月の定休日に「UFO来た日」と書いてある。
好みのクセです!無休なのか!?

キッチン南海独特の味、この黒っぽいカレーはどこも共通していて美味しい。
で、食事中店の外から、何人もの学生さんがマスターに声をかけていくんです。
「お疲れ様でーす」「帰りまーす」とかって。
マスターも「はーい、お疲れさーん」と。
なんなんでしょう、東京のいち商店街で繰り広げられるこの素晴らしき掛け合い。

そして思うのです。
暖簾分けとフランチャイズは似て非なるもの。
地域に染み入る感じ、この、人の血が通っている店づくりがいいのだと。

小一時間前新宿に着いてから、足早に無表情で交錯する人の群れや電車の中で8割がスマートフォンに視線を落とす光景にほとほと嫌気が差してきていましたが(自分もその一部なのですが)、
この商店街のほのぼのに胸を撫で下ろしたのであります。


お腹も満足したし、目的地に向かいます。
見えてきました。行列ができていますね。


つづく



今日の一曲
「カレーの歌/くるり」

 

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