2022年5月下旬。
南側の壁をつくっています。
下地材の上に板を鎧のように張っていきます。
南京下見張りの真似です。
木曽五木と呼ばれる木のうち、水や湿気に耐性がある椹(サワラ)。
削ってみると硬さや香りは檜(ヒノキ)と明らかに違います。
小屋の改修にあたって使用した材料はほとんどがこの小屋の中や敷地内に遺されていたもの。
檜と椹が混在しています。
当時の材ですから、人工林ではなく天然もの。贅沢。
一世代とばして、孫がありがたく使っています。
祖父は木に携わる仕事をしており、また日曜大工を楽しんでいたこともあって、
材料があちこちから出てくる。
いや、そうでなくとも、
木曽に来てからなぜか一般家庭の倉庫に材が眠っているのを目撃する。
察するに、おそらくこの地域は本当に木と共にある暮らしを長い間してきたのだ。
聞けば過去にはこの町だけでも製材所や木工業の数が100を優に越えていたらしい。
仕事も、普段の暮らしも自然と共に。
そうやって当たり前に生きていたのだと要所要所で感じる。
ろくろで使うのは主に広葉樹なので
針葉樹でも何かできないかなと考えてはいる。