「けっこう高い値段を言われたんですが、欲しくてね」
南木曽の職人からろくろの機械を譲ってもらった話を聞かせてくれ、
他の機械は片付けてもろくろは楽しみでとっておきたいとのことであった。
そこから30分ほど雑談をして、
ものづくりを仕事にしたいと思ったが、背に腹はかえられぬと地元の土建屋さんに勤めたこと
そして景気が良かった当時の赤裸々な収入のこと
子供はあるが、それぞれ出ていってこの家に戻る予定はないこと
など話してくれた。
帰りがけ、大鹿の道の駅につくったものを置かせてもらっていると教えてくれたので寄ってみた。
発見。鹿の角を加工した逸品であった。
なるほど、ここは大鹿村である。
道の駅といえばお土産コーナー。
ここは「塩もなか」がとても有名でたくさん積まれていた。
山に囲まれているのに塩?となるが地元の鹿塩温泉の源泉には塩分が含まれており、そこからいわゆる山塩をつくっているらしい。
せっかくなのでもっとあちこち回って大鹿村のディープを堪能したかったのだけれど、
コンプレッサーの目的は果たせたのでヨシとして足早に帰路についた。
帰りもダンプとすれ違いながら、そしてなぜか手に取らずに帰ってきてしまった「塩もなか」に後ろ髪を引かれながら軽トラを走らせた。
で、この「塩もなか」には後日談があり、1ヶ月ほどして実家に帰省したらなんとテーブルの上にあるではないか。姉が下伊那に遊びにいった時にお土産として買ってきてくれたとのこと。
世の中そういうシンクロが間々あります。
大鹿のおじいさんが送ってきてくれたらより良いオチでしたが。
そしてやはり美味い。
ただでさえもなかは美味いので、そこに幻の山塩とくれば言わずもがな。
30歳を過ぎたくらいから「あれ、もなかって美味しいかも」と気づきがあり、40歳に近づいてきて確信に変わる。そうやって勝手に、和菓子を嗜む大人の仲間入りをしたことにしてしまおう。
リニアについて。
それはそれは速いし、見た目もシュッとしてる。
でももし我が子が年頃になったら、
「リニアも良いけど、青春18きっぷで旅でも出たら?お尻は痛くなるけど、良い出会いもきっとある。そこに本があるから適当に持ってっていいよ」
と求められてもいない助言をすることでしょう。
2023年7月現在、エアコンプレッサーは我が工房の片隅で今日も元気に気をはいています。
おわり
今日の一曲
「太陽の当たる場所/忌野清志郎」