モノとストーリー


「もしもーし、栃が市に出てたけどいるー?」

材料の原木を仕入れる場合、大抵このようにして材木屋さんから電話がかかってきます。
樹種、長さ、径など、あらかじめ自分がどんな木が欲しいか伝えてあります。
それから現物を見に行きます。どうしても行けない時は現代的にLINEで写真を送ってもらいます。






「5本あるけど、全部は手が回らないので2本だけいけますか?そうだな、値段は立米???円ぐらいでどうでしょう」(原木の値段はm3あたりの単価を基準に計算します)

みたいなやりとりをして仕入れています。
普段の何気ない仕事の一幕も、木のものづくりを全く知らない方々からすれば興味深いストーリーと呼べるかもしれません。貯木場が近くにたくさんあるというのもこの地ならではでしょう。

南木曽町に移住してから7年目。
この地の伝統工芸の職人に学び、その技術を以って、地域の材料を使って仕事をする。
ものづくりなど全くの門外漢であった人間が、こうして地域との関わりを醸成しながら生きていく。
そういったものづくりの背景や私自身の人となりを知っていただくことも大事だと考えています。



一方でそれらはモノの本質ではありません。
モノそのものの価値や魅力はやはりモノで伝えていかなくてはなりません。
当たり前のことですがこれが一番苦労するところであり、やりがいでもあります。
でも気をつけていないと、モノの完成度が至らぬうちに、ギャル文化にあったような厚底ブーツ並みの美談を履かせて「これいいでしょ!」なんて背伸びしたくなってしまうものです。
(次々と流行を生み出すあのエネルギーが欲しいです)
ストーリーは大事ですが、魅力的でしっかり働いてくれるモノをつくることが大前提であることを肝に銘じておかなくてはと思います。


そういえば、ギャルつながりで。
私はまずまずのラジオリスナーなのですが、夕方はTOKYO FMのスカイロケットカンパニーを結構聞いています。先日はメインパーソナリティのマンボウやしろさんがお誕生日で、そのお祝いとしてマンボウさんの「ギャルと話したい!」という希望を叶える企画がありました。で、電話をしたリスナーのギャルというのが「群馬の40歳が扮するギャル」でして、素人とは思えぬトークがユニークでとても面白かったです。

というのを思い出しました。
夏バテ気味の皆様、元気出ますよこのラジオ。お薦めです。
かかっていた一曲です。



今日の一曲
「SWEET 19 BLUES/安室奈美恵」


 

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